飛行前点検と離陸
まずは、飛行前点検、マニュアルに従い、計器類のチェック、その後エンジンを始動します。油温と圧力が安定したら管制塔に連絡、 タキシング(飛行場内の滑走路内の移動)の許可をもらいます。
エンジンをフルスロットルにし、速度が70ノットになったら、軽く操縦桿を引けば上昇です。
外の景色は、ごらんのようにとてもきれいです。
しかし、景色を楽しんでいる余裕はありません。
今回は、今までのひととおりのおさらいです。
まず、管制塔にこれから訓練飛行を行うむねを伝えます。
そうしないと、管制塔のレーダーにまるで非常事態のように写ってしまい、大騒動になってしまうからです。
その後、45度バンクにて360度の右旋回。高度とバンク角を維持しながらエルロン、ラダー、スロットル、 エレベーターをすべて手動で操作しながらきっちり360度旋回するのって結構、難しいんですよ。
右旋回360度、そしてすぐに左旋回360度、これを何回も繰り返します。高度やバンク角が維持できなかったら減点です。
この状態のまま、スロットルとエレベーター(昇降舵)を微妙にコントロールしながら水平飛行を保つのです。
ちょっとした操作ミスで飛行機は失速し、フリーフォール状態になります。
上昇中にすぐ、エンジンスロットルを思いっきり絞ります。
そうです、飛行機が離陸してすぐエンジントラブルという状態のシュミレーションです。
飛行機で一番危険なのは、離着陸の3分間なのです。
このときに期待にトラブルが起こるともっとも危険です。
上昇中にエンジンパワーがなくなると飛行機はすぐに失速、フリーフォール状態になります。
この状態からスロットルを使わずに、エルロン、ラダー、エレベーターのみで状態を安定させるのです。
高度3000フィートを切ったらおしまいです。
この時間は、長距離のジャンボジェットの発着が多く、20分ほど空港の廻りを旋回しながら順番待ちです。
自家用の航空機が当たり前のアメリカでは、航空管制の指示に、ジャンボジェットと、小型機の差別は無いそうです。
管制塔から着陸許可が出て、ゆっくり滑走路に向けて降下します。
フラップ(低速でも浮力を増やす為の補助の翼)を上げて、スロ−フライト。そして、無事着陸。