1998年9月

飛行前点検と離陸

離陸前の様子

 この、小型自家用航空機操縦免許の挑戦記を具体的に詳しくという応援メールを数通いただきましたので、 Lesson の内容を少し詳しくお見せしようと思います。

 まずは、飛行前点検、マニュアルに従い、計器類のチェック、その後エンジンを始動します。油温と圧力が安定したら管制塔に連絡、 タキシング(飛行場内の滑走路内の移動)の許可をもらいます。


滑走路と管制塔

 ここはホノルル国際空港、たとえ小型機でもジャンボ機と扱いは同じ、 前方のボーイング747が離陸するのが終わり、離陸の許可がでました。

 エンジンをフルスロットルにし、速度が70ノットになったら、軽く操縦桿を引けば上昇です。


旋回すると景色がよく見えます

 離陸後もここは国際空港、細かくフライトプランそって決められた方位、高度にそって飛行を続けます。

 外の景色は、ごらんのようにとてもきれいです。

 しかし、景色を楽しんでいる余裕はありません。
 今回は、今までのひととおりのおさらいです。

 まず、管制塔にこれから訓練飛行を行うむねを伝えます。
 そうしないと、管制塔のレーダーにまるで非常事態のように写ってしまい、大騒動になってしまうからです。


急旋回

珊瑚礁がきれいです

 まず、安全高度3000フィートまで上昇します。

 その後、45度バンクにて360度の右旋回。高度とバンク角を維持しながらエルロン、ラダー、スロットル、 エレベーターをすべて手動で操作しながらきっちり360度旋回するのって結構、難しいんですよ。

 右旋回360度、そしてすぐに左旋回360度、これを何回も繰り返します。高度やバンク角が維持できなかったら減点です。


スローフライト

操縦桿を持つ手がふるえます


 水平飛行からエンジンスロットルを絞っていきます。
するとどんどん速度が下がっていきます。失速警告灯が点灯し、飛行機が失速状態になります。

この状態のまま、スロットルとエレベーター(昇降舵)を微妙にコントロールしながら水平飛行を保つのです。

 ちょっとした操作ミスで飛行機は失速し、フリーフォール状態になります。


失速(ストール)訓練

メ−タ−がたくさん


 高度3000フィートを暗黙の地上にたとえて、上記のスローフライトからフルスロットル、離陸状態にて上昇します。

上昇中にすぐ、エンジンスロットルを思いっきり絞ります。

そうです、飛行機が離陸してすぐエンジントラブルという状態のシュミレーションです。 
飛行機で一番危険なのは、離着陸の3分間なのです。
このときに期待にトラブルが起こるともっとも危険です。

 上昇中にエンジンパワーがなくなると飛行機はすぐに失速、フリーフォール状態になります。
 この状態からスロットルを使わずに、エルロン、ラダー、エレベーターのみで状態を安定させるのです。
 高度3000フィートを切ったらおしまいです。


着陸



 数時間の訓練後、再びホノルル国際空港に戻ってきました。

 この時間は、長距離のジャンボジェットの発着が多く、20分ほど空港の廻りを旋回しながら順番待ちです。
 自家用の航空機が当たり前のアメリカでは、航空管制の指示に、ジャンボジェットと、小型機の差別は無いそうです。
 管制塔から着陸許可が出て、ゆっくり滑走路に向けて降下します。

 フラップ(低速でも浮力を増やす為の補助の翼)を上げて、スロ−フライト。そして、無事着陸。




 授業が終われば、きびしい教官もご覧のようににこやかです。



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